お通夜に行ってきた


お通夜に行ってきた。
コロナ禍以降、めっきりお通夜やお葬式とは縁遠い生活をしていた。
たぶん、トラディショナルなお通夜は10年以上ぶりだと思う。正確に覚えていない。

行くまではとても憂鬱だったが、行ってみれば久しぶりに見る顔の人たちが多く、なんかみんな笑顔だった。
もともと故人も、しんみりするよりガハハと笑って過ごすことが多い方だったから、自然と故人語りでも笑顔がこぼれていた。
1974年、つまり俺が生まれた年に会社に入った人で、1997年に俺が就職した会社で隣の課の課長だった。
飛行機が墜落してデータセンターの送電路をぶった切ったときは遮二無二騒いで復旧にあたられていたっけ。
移転のプロジェクトでは2徹した我々若者に大量のコンビニおにぎりの差し入れをしてくれたっけ。

ほんの11年前の引退の時には、いいよ、いいよと恥ずかしがる彼を騙して送別会に連れていったっけ。
71歳、現代社会では若すぎる。

俺もいつの日かそうなる。

あんなに人が集まる故人の人柄に少し嫉妬した。

葬儀場へ行く電車の経路は、不思議な縁でか、彼と出会ったオフィスがある駅を通過する路線だった。

春は、もう近い。

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