百名山#22 八経ヶ岳


唐突に#22から始めてしまったこのシリーズ。
いずれは「51歳から始める登山」としてkindle化する予定だった登山の記録を先出ししていきたい。
2026年2月23日。
前日に京都鞍馬山から貴船山への登頂を断念して失意ののち、進路を南に取った。ん?東かな。
奈良県宇陀市。ここに来るのは3度目である。
大宇陀温泉あきのの湯で山歩きの疲れを癒す。

前回来たときは20:30ぎりぎりの駆け込みで風呂しか入れなかった。
モンベル会員で600円。土日祝日料金。
サウナは室内にひとつドライサウナがあるのと、露天に樽型のセルフロウリュができる6人掛けのドライサウナ。
温泉はぬるぬるする感じの美肌の湯。
鞍馬の駅から車で2時間半くらいだけど、道中残り9kmくらいのところから「これ道合ってんの??」ってなるくらい暗い。
この温浴施設の1kmくらい先に道の駅「宇陀路大宇陀」がある。ここは隣がローソンで、朝コーヒーをすするのにちょうどいい。
目標とする冬の八経ヶ岳の登山口、熊渡まで49km。
仮眠の途につく。

実は熊渡の登山口に至近の道の駅は道の駅「吉野路黒滝」が15㎞と一番近い。モンベルショップも併設されている。
ここも1kmくらい山を登ったところに温泉「黒滝の湯」がありモンベル会員なら600円で入れる。
ただ、こちらはサウナはなく温泉だけである。

温泉の話ばかりになってしまったが山登りをする人には重要な施設である。

そう、それで仮眠明けの朝3時に起床。
なんだかお腹が空いてないので、水を飲んで49km先の熊渡登山口を目指す。
途中、道の駅「吉野路黒滝」に立ち寄り、朝ごはん。
いつものホットコーヒー、ミックスナッツ、パン、納豆。
しっかり食べて熊渡登山口へ。例にもれず車道は狭い狭い。
5:37の到着。すでに車が4~5台は止まっている。
遅い。
というのも、下調べによると冬季の八経ヶ岳は夏季に使える登山口(行者還トンネル西口)への道路が閉鎖されており、熊渡kらの登山がピストンで17kmほど。
雪道であるからゆうに10時間は超える道程となるだろう。
4時に出て15時には下山する目論見だったが、1時間ビハインド。
そして着替え・パッキングにも時間を取られて(前日にしないタイプ)、出立が6:08。もう2時間ビハインド。
もう夜が明け始めている。
到着した時点で、なんか南の空で稲光がしばしば見られたんだけど、なんともないといいが。。。

装備は、モンベル アルパインクルーザー1000ウィズゲーター、チェーンスパイクと12本爪アイゼン。ワカン・スノーシューは無し。2月下旬の陽気で比較的暖かいが、ジオラインのタイツの上にユニクロの白い夏の感動パンツ。
前回、瑞牆山でアイゼンをひっかけてビリビリに破れたワークマンの1980円パンツは、雪が入り込みそうなので履かず。
上はいつものおたふくさんのアミアミアンダーウエア(長袖)に、昨日鞍馬で着たスポーツウエアを着ようと思ったけど車内が取っ散らかっていたので見つけられず、モンベルの薄手のフリース(シャミース)にした。
ピッケルと、右手に諏訪原(杖)。諏訪原は今回からカインズのS2鋼を使ったソケットを杖先に装備して冬山のグリップ力を高めた仕様で臨む。
あとは防寒対策にワークマンのバラクラバ(目出し帽的なやつ)、ヘルメットにヘッドライト。

ひたすら長い林道を歩いて、ようやく山の登り口。しかしいきなり急登。
まだこのあたりは雪が溶けていてちらほらしか積もっていないのでツボ足で進むが、かなり体力を削られた。
急登を進んで7:57、高度1330mの地点でようやくチェーンスパイクを装着した。
8:55、あたりは一面の雪。そしてガスってきた。
心配になったがその20分後には晴れ間が見えてきた。晴れると元気になるもんだ。
10:05、踏み抜き地獄を経験しながら狼平小屋に到着。吊り橋を渡るが、雪が積もっていて歩きづらい。
すでに出発から4時間経過しているが一向に頂上は見える気配がない。
ここから上はさらに踏み抜き、踏み抜き、踏み抜いて参ります。
そういや高市さんは奈良の出身だった。
大黒岩の手前当たりですでに下山を始めるパーティ5~6人とすれ違った。
スノーシューを履いていた方と会話したが、いやー雪が重くて。。とのこと。確かに正午に近づくにつれ気温が上がってきて雪はシャーベット状態になっている。
踏み抜きはないが、スノーシューの上に雪が乗っかり重そうである。
11:40 弥山に到着。タイムリミットは11時に八経ヶ岳と考えていたので、全然遅い。
天気は良いが時折不穏な雲が見え隠れしている。
ここまで来たが撤退か。。。
弥山小屋そばのテーブルに腰掛けカップヌードルとホットコーヒーで昼食。
最近はサーモスの魔法瓶でお湯が事足りるのでバーナーあんまり使わなくなった。
食事をとっていると、行きで追い越された2人組のパーティの方が八経ヶ岳方面から戻ってきた。
速いなあ、と思いお話を伺うと地元奈良の方らしい。
千葉から車で来ました、と言ったら少し驚いてくださった。
私より年配に見えたがさすが地元。いや~踏み抜きまくりだねって言いながら颯爽と下っていかれた。
「八経ヶ岳、もうすぐそこだよ」
この言葉に一押しの元気をいただき、ピークを目指す決意をする。12:26。
頂上までは最大股下まで到達する踏み抜きの嵐。

なんなら、踏み抜いた後をトレースしてもさらに抜ける。
あたりまえだが、スノーシューのトレース跡は100%埋まる。
あと、中学生っぽい子供も登山されていて、小さな靴跡のトレースも踏み抜く。
体重が違うもんね。
幸い、「踏み抜いたところに鋭利な木の枝があったり」、「そもそも地面がなかったり」ということはなくなんとかようやく13:01 ピーク到達。

感無量。そして、これから訪れる下山タイムを思うと不安しかない。
登りが7時間かかっている。
ということは下りは5-6時間はかかるだろう。
18時から19時。
2月の下旬になって日が長くなったとはいえ、さすがに厳しい時間帯である。
だが選択したのは自分。
無事に下山する姿をイメージしながら下山開始。
が、まあよくもこれだけ雪の踏み抜きするもんだというくらいズボズボ。
途中、2回ほどルートを外れた。
狼平小屋の手前と、その先。
詳しくはYAMAPを見てほしい。
トレースを追っていたら沢っぽいところに下っていて、リカバリーもトレース通りにいけたんでよかったけど踏み抜いて沢とかだったら目も当てられない。
が、雪道は夏道以上に引き返すという判断ができない。
使った体力=サンクコストが惜しいのだ。
危険すぎる冬山。晴れているからいいものの、悪天候が重なればさらに判断は鈍るだろう。
15:00ちょうどに狼平小屋まで降りてこられて、空腹のため持ってきたパンをかじる。
小屋には3名ほどの若者がいて、泊りだという。
そりゃ15時からあと3時間はかかるだろう場所まで下山する人はそうそういないよな、、、

日没は日増しに遅くなっている。17時ならギリギリ明るいはず。
登山の常識ともいえる15時までに下山は到底無理な状態から、あと3時間は歩き、下り続けなければならない。
幸いなことに体力だけはある。
足もまだ攣ったりはしない。ちょっとこむら返りがおきそうだったので漢方も飲んだ。
写真は14:00に八経ヶ岳を見上げて撮ったのを最後に、16:34まで撮る余裕がなかったようだ。

朝登る時に、日は昇っているのにめっぽう暗い林の場所があって、そこは逆に西日で明るくなっていた。
おもしろいなあと思いながらひたすら降りて、林道に出たときはどっと疲れが出た。
17:49 無事下山。日は、ギリギリ暮れる手前だった。

冬の雪山、11月の北横岳、甲武信ケ岳、1月の金峰山、2月の瑞牆山につづいて5度目であったが、一番つらかった金峰山とはまた違った意味でつらかった。

金峰山は頂上以外は雪が深くなく、代わりに頂上付近での天気は風と雪。
1時間ほど予定をビハインドしたものの日没を過ぎることはない時間だった。

今回は時間がないことを認識しながらピークを目指したこと、途中で水が尽きかけたこと、踏み抜きの嵐で心折れそうになったこと、などなど

特にやはり時間に追われるのが心理的プレッシャーだった。
いつも車移動での登山だけど、バスとかケーブルカーの登山はやっぱり向かないなあ。

ともあれ無事に下山できてホッとした。
反省すべき点は次回に活かしたい。
夏の八経ヶ岳にも訪れてみたいとも思った。

おわり

22/100名山 残り78

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

one × four =